待ってる 橘屋草子2015/06/19

待ってる
「待ってる 橘屋草子」 あさの あつこ・著 講談社文庫
料理茶屋「橘屋」へ奉公に出たおふく。下働きを始めたおふくを、仲居頭のお多代は厳しく躾ける。藪入りには帰っておいでという母の言葉を胸に、けなげに働く少女おふくだったが…。
短編連作で、「橘屋」に関わる人々を描いています。主に女性が中心で、事情があって、苦労している人が多いです。容赦なくしかってくるお多代ではありますが、ただ厳しいだけではないことが、だんだんわかってきます。最後まで読むと、お多代の凛とした魅力がこの1冊の本を貫いているのだなぁと思いました。そしておふくが成長していることが、嬉しくなります。自分は成長を見守っていたつもりでしたが、おふくの覚悟や生き方から、いつのまにか、こちらが教えられているのです。他の人の話も良かったけど、お多代とおふくの師弟のような関係に、しびれました。
この表紙が、かわいらしいですね。

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