ナミヤ雑貨店の奇蹟2015/06/13

ナミヤ雑貨店の奇蹟
「ナミヤ雑貨店の奇蹟」 東野 圭吾・著 角川書店
悪事を働き、少年3人が逃げ込んだ廃屋。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。廃業しているとしか見えないのに、シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が差し込まれる。戸惑いながらも内容を読んだ3人は、返事を書くことにする。過去と未来がつながる不思議な雑貨店の物語。
連作形式の短編というのは、最近は多いけど、この話のつながり方が面白かったです。悩みはどれも真剣なもので、当時の店主・浪矢氏は、心をこめて回答していたことがわかります。読み進むうちに、次第にあきらかになっていくというのは、やはりミステリーなんでしょうが、心温まるファンタジーでもあり、あっという間に読めました。
通勤電車で読んでいて、気がつくと自分の降りる駅に着いている。ここでも時空が歪んでいるんじゃないのかと思うほど、早く時間が流れてしまいました。おすすめです。