すべて真夜中の恋人たち2015/02/19

すべて真夜中の恋人たち
「すべて真夜中の恋人たち」 川上 未映子・著 講談社文庫
34歳のフリー校閲者をしている冬子は、人づきあいが苦手。誕生日には真夜中の街を散歩する。仕事で付き合いのある出版社の社員、聖(ひじり)とは、仕事だけじゃなく、おしゃべりもする友人。ひっそりと静かに生きていた冬子は、ある日カルチャーセンターで58歳の男性、三束(みつつか)さんと出会い、会うようになる…。
主人公の冬子のテンションが低くてちょっと重く感じました。雰囲気とか良いし、表現が美しいです。世間に馴染んでいなくて、繊細で不器用な冬子を心配してしまいます。よく理解できないのです。むしろ高飛車だけど、聖の気持ちの方がしっくりするところがありました。心配しているのだけど、意地悪なことを言ってしまう、自分が抑えられないところは、よくわかります。