昨夜のカレー、明日のパン2014/06/01

昨夜のカレー、明日のパン
「昨夜(ゆうべ)のカレー、明日のパン」 木皿 泉・著 河出書房新社
7年前25歳で亡くなった一樹、嫁のテツコと義父(ギフ)は、その後も一緒に暮らし続けています。2人を中心に関わりのある人々のことが描かれています。大切な人を亡くした人が哀しみを乗り越えていくような話です。でも暗くなくて、おかしいんです。ギフの人間性がとても良いです。立派な人物にも思えるけど、人間くさいところもあります。現在のことだけではなく、過去の話も入り混じって、家族の歴史や、今後のことが想像できます。タイトルが読む前から気に入っていました。どうしてこのタイトルにしたのかも、最後にわかりました。この本にピッタリのタイトルです。
本屋大賞では「村上海賊の娘」に次いで2位。読む人を優しく包み込む“珠玉”の小説です。読み終わるのが惜しいと思えました。

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