きみはいい子2014/04/02

きみはいい子
「きみはいい子」 中脇 初枝・著 ポプラ社
虐待について書かれた短編集。
5時まで家に帰ってきてはいけないとか、家であまりご飯を食べさせてもらえないとか、厳しい子どもの現実がかいま見えます。でも、そっと寄り添ってくれる誰かがいれば、その子にも救いがあるのかもしれない。
話は別の話だけど、虐待に気がつく大人の目線だったり、自分の子に手をあげてしまう母親の目線の話があります。小さい頃に虐待を受け、その張本人の母は今は認知症になって、虐待のことは覚えていない、その母を数日預かることになった話もありました。楽しい話ではないけど、どの話も印象に残るものばかりです。虐待が解決するというのでなく、それでも一筋の光はあるという内容でした。大袈裟すぎず、静かに語りかけてきます。