獣の奏者 外伝 刹那2014/01/24

獣の奏者 外伝 刹那
「獣の奏者 外伝 刹那」 上橋 菜緒子・著 講談社文庫
外伝なので、本編を読んでいないと説明しにくいのですが、本編では触れられていなかった空白の部分を補うような短編集です。
主人公エリンの赤ん坊時代、母のソヨンのことが垣間見える「綿毛」
エリンとイアルの同棲、結婚のいきさつがわかる「刹那」
エリンの恩師で、よき理解者であるエサルの若き日の研究や秘めた恋「秘め事」
エリンがジェシにお乳をあげている頃の話「はじめての…」
「綿毛」と「はじめての…」はごく短い話ながら、同じように苦悩の果ての子どもを産むことを決断し、わが子を抱いて、幸せを感じるつかの間の時期を描いています。
どんなに過酷な運命が待ち受けていようと、生まれてきて良かったと思える一瞬の輝きが、人生を照らしていくのでしょう。

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