シンメトリー2013/11/30

シンメトリー
「シンメトリー」 誉田 哲也・著 光文社文庫
刑事・姫川玲子シリーズの第3弾。7編の短編集になっています。
表題作「シンメトリー」は多数の死者を出した列車事故。原因は踏切内に侵入した飲酒運転の車。事件をまのあたりにした駅員は、たった5年で刑期を終えた男に復讐を誓う…。
短編のせいか、ちょっと軽めです。「ソウルケイジ」のように哀愁ある深みはないけど、姫川が扱った事件がいろいろ出てきて、そこに姫川の人間性が現れています。刑事になってまもない頃の事件や、組んでいたデカ長との話など、警部補になる前のことがわかります。
ライバル関係の他の刑事たちとの確執は、影をひそめています。
姫川玲子は背が高くて美人、それを自分でもよく知っています。若いのに昇進が早くそれに自信を持っています。自分で犯人検挙することに、執念を燃やしているのです。他の班や部署に出し抜かれたくない気持ちが強いです。こういう風に見て行くと鼻持ちならない女なんですけど、颯爽として頭が良くてかっこ良いのです。