ソウルケイジ2013/11/23

ソウルケイジ
「ソウルケイジ」 誉田 哲也・著 光文社文庫
放置された車から成人男性の手首が発見される。鑑定の結果、工務店を営む高岡のものと判明。高岡は殺されたのか?誰に?警視庁捜査一課・姫川玲子警部補と所轄の刑事たちが周辺を洗っていくうちに、過去の事件との関わりが浮かびあがってくる…。
「ストロベリーナイト」に続くシリーズ第二弾です。前作で人間関係がわかっていたので、その刑事たちの、探り合いやライバル意識が面白いです。事件の内容は哀愁漂うものでしたが、浮かび上がってくる新事実に、どんどん惹き込まれます。毅然としている主人公・姫川ですが、時に乙女っぽいところもあったり、姫川に絡んでくる関西弁の井岡との掛け合いは、シビアな事件の中でも、ホッとする部分です。今回は姫川とは違う班の警部補・日下のことが多く書かれていて、姫川と対照的な捜査方法で事件に迫っていきます。
今回の本は“父親”がテーマになっています。事件だけでなく、いろいろな父親、父性が出てきました。スティングの“The Soul Cages”も父の死後に製作したアルバムなんだそうですね。
本の内容にもあっていて、“魂の檻”とか“魂の刑事”という2つの意味にもとれるのかなぁ。