レインレイン・ボウ2013/11/13


レインレイン・ボウ

「レインレイン・ボウ」 加納 朋子・著 集英社文庫
高校のソフトボール部の仲間の通夜で久しぶりに顔を合わせた7人。亡くなったのは学生時代から心臓が悪いと言っていた知寿子(通称チーズ)で、まだ25歳だった。
通夜で再会した女性たちはそれぞれの道に進み、人生を歩んでいる。専業主婦、看護師、保育士、栄養士、悩みやトラブルを抱えながら、疎遠になっていた仲間がチーズを通して関わりあっていく。
群像劇のような内容で、それぞれの話が面白かったです。難しい職場で奮闘している栄養士さんの話が好きでした。チーズの死後、消息がわからなくなっていた子を探してキャプテンだった陶子は、クラブの仲間に連絡をしていきます。
読み進んでいくうちに、なにやら知っている人が出てきました。荻クンがなんで出てくるのだろうと思ったら、陶子は少し前に読んだ「月曜日の水玉模様」の主人公だったと気がつきました。私が勝手に想像していたイメージが2つの本で違っていたので、最後の方まで気がつかなかったです。そういえば会社のつきあいでソフトボールをやるシーンがあったし、キャプテンだったと言っていたなぁ。
高校を卒業して7年後の“今”を描いている話だけど、加納朋子の今まで読んだ本は、ミステリー仕立てなので、今回は違うのかと思ったら、ちゃんと謎解きがありました。