大統領の料理人2013/09/25

大統領の料理人
「大統領の料理人」を観てきました。
田舎でレストランを営んでいたオルタンス(カトリーヌ・フロ)が推薦を受けて連れて来られたのは大統領官邸のプライベートキッチンだった。エリゼ宮の主厨房とは別で、ミッテラン大統領とその同席する人のランチを作ることに。オルタンスの手から生み出される料理は母や祖母から伝えられた伝統ある郷土料理。大統領は満足するのだが、堅苦しい男社会の厨房や規律に縛られた環境で、助手のニコラと孤軍奮闘する。
映画の予告やチラシから想像する話とはちょっと違っていました。まず南極から始まるんです。そこで料理人をしているオルタンス。そう南極料理人なんです。1年間の仕事を終え、南極から去ることが決まっています。彼女の前の仕事が大統領のシェフだったのです。南極の1日と過去の回想が順番に出てきて語られていきます。回想は大統領のシェフになった日からそこを去るまで。はじめは大統領の好みを聞くこともできず、主厨房の協力もない。より良い食材を調達し、素材の味を生かして、それは美しい料理が次々と生み出されていきます。フランス人の食へのこだわりがよくわかります。その料理の数々を見るだけでも楽しかったです。臆することなくハッキリした意見をもった主人公も魅力的です。でも、逆境に耐えて、まわりに影響を与えていくのかと思えば、そうでもなく。対立はしたままだし、ミッテランの健康管理のための医師たちの指導を覆すわけでもない、彼女が信じる食材へのこだわりも認められないままで、そういう環境にだんだん彼女は疲弊していってしまうのです。オルタンスの料理と人柄が南極で働く人たちに愛されていたのかは伝わってきますし、大統領とも直接語り合って、気持ちが通じているのは良いのですが、なんだか肩すかしをくったような気もします。期待が大きすぎたかな。

★★★★☆ 4-

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