吉原暗黒譚2013/06/27

吉原暗黒譚
「吉原暗黒譚」 誉田 哲也・著 文春文庫
吉原の花魁が、狐面を付けた謎の集団によって殺された。その花魁は女衒の丑三が始めた新商売の貸し出しの花魁だった。丑三の花魁ばかり3人が殺され、吉原の面番所に詰めている貧乏同心の今村圭吾は、五百両で自分が解決してやると丑三に掛け合う。元花魁で今は髪結いをしている彩音も加わり、事件の謎を追っていく…。一方、長屋で暮らす女が、父親に虐待されていた過去を持ち、時々気を失ったりする話が並行して描かれている。
現代を舞台に推理小説を描いていることが多い誉田哲也が、時代物も書いているのかと初めて知って手に取りました。時代物と言っても刑事が事件を追って行くような展開で、場所が吉原という感じです。でも、その時代特有なことがいろいろあって、興味深いです。かっこいい主人公というよりも、人間くさくて、欲にまみれています。読みやすいので、読み始めると止まらなくなります。剣での戦いもスピード感があって、迫力がありました。