天使の分け前2013/04/21

天使の分け前
「天使の分け前」を観てきました。
トラブルが絶えず、暴力沙汰で社会奉仕活動を命じられた主人公ロビー(ポール・ブラニガン)。恋人がロビーの子どもを出産したことで、自分は変わってまともな生活をしようと思っているのに、まわりの環境がそうさせないし、仕事もない。恋人の父親は、娘と孫からロビーを引き離そうとする。奉仕活動の責任者ハリー(ジョン・ヘンショー)と出会ったことがロビーの転機となる。ハリーはウィスキー愛好家で、子どもの誕生をウィスキーで祝ってくれ、蒸留所へ連れて行ってくれた。天使の分け前はとはウィスキーが樽の中で熟成される過程で2%ほど蒸発して失われる分のこと。ウィスキーに興味を持ったロビーには味を見分ける天賦の才能があることがわかる。
ハリーは家庭環境で苦労してきたロビーが初めて触れた父親のような態度で諭してくれた。過去との決別をかけて、ロビーは社会奉仕仲間と共に、キルトを纏ってある作戦を実行する…。
ケン・ローチは労働者や抑圧された人々を描くことが多い監督。私の観た「SWEET SIXTEEN」も厳しい現実から抜け出そうともがく若者の話だった。「天使の分け前」もそういう映画なのかもしれないけど、もっと軽快さがあって、最後は幸せな気分になる話でした。どうしようもない状況を抜け出すために悪事をするというのは、どうかとも思うんだけど、ロビーは成長し、信頼できる人と出会う、そしてその恩を大切に思うということで、良い映画なんだと思う。
観た後はみんなウィスキーが飲みたくなると思うよ。

この映画を最後に銀座テアトルシネマは5月31日に閉館します。私はよく通った映画館だったので、とても世話になったぁ。たくさんの感動をありがとう。

★★★★☆ 4