ライク・サムワン・イン・ラブ2012/09/19

ライク・サムワン・イン・ラブ
「ライク・サムワン・イン・ラブ」を観てきました。
大学生の明子(高梨臨)は、内緒でデートクラブのアルバイトしているが、嫉妬深い恋人の追究に困っている。
元大学教授の84歳のタカシ(奥野匡)は、明子を家に迎え、おしゃべりや食事をしたいと願うが、明子は翌日のテストと、上京してきた祖母のことが気がかりで、なげやりになっている。翌朝大学まで車で送ったタカシだったが、明子の恋人のノリアキ(加瀬亮)が、執拗に明子を問い詰めていた。車で待っていたタカシのことを見て、ノリアキが話かけてくる。タカシのことを明子の祖父と勘違いしてきた…。
いつもの加瀬亮と違って怖い役でした。粗野でストーカーのごとく恋人を拘束しようとする男。でも、どこにでもありそうなカップルなのかもしれません。恋人が夜はずっと連絡がつかなければ、心配するだろうし、彼は真剣なんです。何か隠しているのではと疑いを抱きつつ、恋人をつなぎとめようとしています。対する奥野匡演じるタカシの真意はよくわからないのです。なんとかなるさと落ち着いているのだけど、人が良さそうな感じがありありと出ています。夜から翌日の昼くらいまでの話で、ちょっとドキュメンタリー風でもあります。映っていない部分はどんなことがあったのかは語られず、明子も謎が多いです。アルバイトをしている理由や、ノリアキとつきあっている理由。そもそもデートクラブで働きそうなタイプじゃないと私は思うのです。
監督はアッバス・キアロスタミ。イランの監督が日本を舞台に映画を撮るということに興味を覚えました。前作はイタリアが舞台の「トスカーナの贋作」でしたが、同じくミステリアスで、どうなるのだろうと、ドキドキしましたが、この映画もそうです。状況が初めはわからなくて、だんだんわかってくると、どうなるのか、大丈夫なのかと心配して集中してしまいます。ハッキリとした結論らしいものはなく、ある1日を追ったような話でした。監督が伝えたいことは、私にはわかりませんが、惹きつけられるものはありました。

★★★☆☆