卵のふわふわ2012/07/16

卵のふわふわ
「卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし」
宇江佐 真理・著 講談社文庫
八丁堀、北町奉行所、臨時廻り同心の椙田家。そこの嫁・のぶが主人公。舅の忠右衛門は喰い道楽で子どものような男。姑のふでもずけずけとものを言うけど、気さくで優しい人である。夫婦も嫁ののぶのことを気に入っている。しかし、肝心の夫・正一郎とはすれ違いが続いている。夫には思いをよせていた別の女性がいて、そちらがダメになった後に、のぶと結婚したといういきさつがあった。いつも冷たくあたる夫に、のぶは離縁を考える…。
舅の忠右衛門は剣術はからっきしだが、数々の伝説を持つ不思議な男。食べることが大好きで、おいしかった食べ物のことを覚え帖に書き留めている。幇間(たいこもち)の今助と仲良し。
食べ物に絡ませて、事件や夫婦の危機、のぶの心の揺れを描いています。ほろりとするところもあって、読みやすい本でした。比較的登場人物が多いです。でもみんな独特なキャラクターでグイグイと読ませられました。