戦火の馬2012/03/16

戦火の馬
「戦火の馬」を観てきました。
第一次世界大戦直前のイギリスで生まれた子馬は、農家の少年アルバートのもとにやってきます。“ジョーイ”と名付けられ、家族のような絆で結ばれていくのですが、戦争が始まると、軍馬として戦地へ送られます。ジョーイが出会うのは、イギリス人将校や、ドイツ軍の少年兵、両親を亡くした少女など、戦争によって翻弄されるジョーイの数奇な運命を追っていきます。アルバートはジョーイを探すために入隊、敵・味方の区別のない極限状態の中で、ジョーイは不思議な存在感で、奇跡の馬と呼ばれるようになっていく…。
物語的にも演じている馬も、とても賢い馬のようです。アカデミー主演男優賞にノミネートしてくれたらいいのに。この映画はあまり文句をつけるところがありません。感動する映画とは、こうやって作るもんだというお手本のような作品です。美しい自然や、壮大な物語、スピルバーグ監督がアカデミー賞を意識して撮ったような映画です。実際はそれゆえに、なんか真面目すぎて、基本すぎて、期待通りに展開していくような気もしなくもないのです。優等生すぎて驚きに欠けるけど、泣けちゃうこと間違いなしっていう映画かな。

★★★★☆

ビブリア古書堂の事件手帖2012/03/16

ビブリア古書堂の事件手帖
「ビブリア古書堂の事件手帖-栞子さんと奇妙な客人たち-」
三上 延・著 メディアワークス文庫
北鎌倉の近くでひっそりと営業しているビブリア古書堂。若く美しい店主・栞子さんは、骨折して入院中。古書の知識は並大抵ではないが、かなりの人見知り。あるきっかけでその古書店で働くことになった五浦大輔は、彼女が古書に触れただけで、いろいろな謎を解き明かしていくのを、まのあたりにする。
とても読みやすいミステリーです。近代文学など、知らない本にも興味を持たせてくれて、読書案内のようにもなっています。人と接するのが苦手で、非情にシャイな栞子さんが、いざ本のことを語り出すと、人が変わったようになります。小さい頃のトラウマもあって、本を読むのが苦手な大輔は、栞子さんに本のレクチャーを受けていきます。著者が本好きなのをヒシヒシと感じます。ビブリア古書堂に持ち込まれる本から、その人の人生が見えてきます。名探偵(栞子)とその助手(大輔)のような話ですね。シャーロック・ホームズかって。表紙が可愛らしくて、あまり本を読まない人にも楽しんでもらえそうです。新幹線で読んだらアッサリ読めて、面白かったです。2巻も出ています。