きいろいゾウ2011/09/07

きいろいゾウ
「きいろいゾウ」 西加奈子・著 小学館
ダンナさんのムコさんは売れない小説家。時々老人ホームでも働いています。ツマはぼんやりとしてふわふわしたタイプだけど、動物の話がわかったりしてちょっと浮世離れしています。都会から引っ越してきて、田舎暮らしをしている夫婦。ご近所つきあいと、生活の様子が綴られているのだけど、隣りの家の孫の大地君が登校拒否で都会からやってきて友達になったり、ちょっと変わっているけど幸せな夫婦の話が続くのかと思うとそうでもなく、ムコさん宛に手紙が届いたことから、ムコさんは内に閉じこもってしまうようになる、やがて東京へ向かうムコさん…。
ツマの語りと、ムコさんの日記が順番に出てきて、ちょっと2人の感じていることがずれていて面白いです。ツマが小さい頃に読んだ絵本「きいろいゾウ」の話が、各章ごとに登場します。話としては、全体に抽象的なところがあるので、作者の意図が全部自分に伝わっているかどうか疑問ですが、私なりに解釈しています。でも人に説明しようとすると難しい話。
世界ふしぎ発見!やキン肉マンのどんじゃら等、具体的なものがよく出てきます。もし海外で翻訳されるようなことがあったら、注釈をつけないといけないなぁと、いらんことを考えてしまいました。