人生、ここにあり!2011/08/13

人生、ここにあり!
「人生、ここにあり!」を観てきました。
1983年のイタリア。労働組合員のネッロ(クラウディオ・ビジオ)は、熱血すぎるがゆえに左遷されてしまう。彼の行きついた新しい職場は、元精神病患者たちで作った協同組合。イタリアでは新しい法律ができて、精神病院が閉鎖されて、元患者たちは病院付属の場所で単純作業をして過ごしていたのだ。風変わりな人々の集団にはじめは驚いたネッロだったが、無気力に作業をするよりも、ちゃんと働いて収入を得て、皆が自立して生活できるような方法はないかと考え始める。元患者たちは社会性には乏しいが、独特なセンスがあることを知る。医師は普通の仕事は無理だと反対するが、組合の制度にもとづいて会議を開き、床の板張りの仕事をすることにする。初めは、なかなかうまくはいかない。しかしアクシデントがきっかけで、廃材を使った寄木張りを完成させると、意外や意外でこれがクライアントに大好評。その芸術性が注目され、仕事が入ってくるようになる。無気力で薬漬けの元患者たちも、仕事をして収入を得るよろこびを知る。いつも押さえつけられていた元患者たちもネッロの接し方に次第に心を開いていく、順調に仕事ができるようになっていくのかと思っていた矢先、事件が起きる…。

実話に基づく物語でヒューマンコメディです。原題は「やればできる!」で、この協同組合のモットーなんだそうです。その邦題でも良かったかもしれませんね。
もちろんかなり脚色はあるのでしょうが、奮闘する患者たちを面白く描いています。仕事をしてやる気を出していく患者さんたち。ネッロのおかげで変わっていく患者さんたち、中でも患者さん1人1人に合った仕事を考えてあげて、みんなが役に立つ立場を与えてあげるところなどは秀逸です。でも、良い映画なんだと思うんだけど、私には患者さんだからといって、オーバー過ぎる演技のようにも思えてしまいます。というのは、私は学生時代に勉強のために、精神障害者の社会復帰施設に出入りしていたせいかもしれません。社会復帰することはなかなか難しくて、こういう映画を観て理解が広がってくれると良いと思う反面、こういう人たちなのかと思われるのも違うような気がして、ちょっと複雑です。だから、他のお客さんが笑っているところも、あまり笑えなかったです。

★★★☆☆