サンザシの樹の下で2011/08/02

サンザシの樹の下で
「サンザシの樹の下で」を観てきました。
1970年代初頭、文革の時代、女子高校生のジンチョウ(チャン・ドンユイ)は農村での住み込み実習に派遣される。ジンチョウの宿泊先は村長の家で、そこに出入りしていて、村に地質学調査に来ているスン(ショーン・ドウ)と知り合う。何かにつけてジンチョウに優しくしてくれるスンにいつしか淡い恋心を抱くジンチョウ。町へ戻ってからも、スンはたびたび訪ねてきて、ジンチョウを手伝ってくれるうちに、密かにデートする関係になる。しかし、ジンチョウの母に見つかってしまい、会うことを禁じられる。反革命分子として迫害を受けている家族にとっては、恋愛もままならない。就職がふいになると、生計はますます苦しくなるのだ。スンはいつまでも待つということで、ジンチョウが仕事に正式採用されるまで会わないことを約束し、涙ながらに別れるのだったが…。
もう、本当に純愛って感じの映画でした。ジンチョウ役の人がかわいいのですが、幼い雰囲気であまりに華奢なんで子どものようにしか見えないです。それに現代では考えられないほど初々しくって、手をつなぐのもためらわれたり、結構よい年齢になっても、何もしてないのに自分が妊娠しているのではと不安になってしまったりして、現代では考えられない感じでした。
タイトルになっているサンザシの樹は、はじめに2人が出会った村にあり英雄の樹といわれている。抗日戦争の時に、樹の下に葬られた人々がいて、その樹だけは赤い花が咲くという伝説がある。実際のサンザシは白い花だけど実は赤い。サンザシの実をジンチョウにあげたり、サンザシの実の絵がついた洗面器(これ、かわいかったなぁ)がでてきたりして、映画の中で象徴的に使われています。中国や中華街に行くと山査子(サンザシ)のお菓子がよく売っていますね。
映画を観る前は、時代の波に翻弄され別れるカップルの話かと思っていたらそうではなく、文革や思想の違いなどではなく、別れなければならなかった悲恋の物語で、実話をもとにしています。交際を禁じる母親も、娘の将来を心配するためで、幸せを願うからこそです。そこにはやはり、時代背景は強く影響しています。
監督はチャン・イーモウ。「初恋のきた道」が好きな人にはオススメかも。私はチャン・イーモウ監督の昔の作品コン・リー主演の映画の方が好きですけどね。この映画は、けがれのない美しい純愛を見ることができます。

★★★☆☆

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