テンペスト2 夏雲2011/06/22

「テンペスト 第二巻 夏雲」池上永一・著 角川文庫
財政改革をしながら阿片密売の経路を追っている孫寧温(そんねいおん)。
王宮での王妃たちの女の争いも激しさを増し、巻き込まれていく。
寧温が女であることをかぎつけた者が、その秘密をエサに脅しをかけてくる。好きな男性もできて、男と女の間で揺れ動く主人公。一難去ってまた一難というように、次々と苦難が襲う。ついには寧温が捕らえられてしまうことに…。
清国の宦官・徐丁垓(じょていがい)は、聡明だが狡猾な人物。この人が登場したことで、急に全体の格調が低くなる。徐丁垓はひとでなしだからいいんだけど、寧温までが罵詈雑言を吐くようになるとちょっと残念です。しかし、それはないだろうと思うことがあっても、飽きずに読めます。どうなるのかが気になります。