君を想って海をゆく2010/12/27

君を想って海をゆく
「君を想って海をゆく」を観てきました。
クルド人でイラクから来た17歳のビラル(フィラ・エヴェルディ)は、家族で
イギリスへ移住した恋人を追って、フランスの港町カレまでたどり着いた。
そこからイギリスまでトラックで密入国しようとするが失敗し、ドーバー海峡を
泳いで渡ることを考える。
彼に水泳のコーチを頼まれたのがシモン(ヴァンサン・ランドン)。シモンはか
つて大きな大会で金メダルをとったこともあるが、しがないコーチになっている。
妻とも別居中で、離婚秒読み。ビラルの考えを見抜いて、君の泳ぎではドーバー
を渡ることをは無理だと諭すが…。

心温まる良い話を想像していると、全く違っていていて、厳しい移民問題の現実
をつきつけられる映画でした。世の中には知らないことがいっぱいあるのだなぁ
と思いました。そもそもフランスでは厳しい移民対策をしていて、移民に手をさ
しのべることも、犯罪となってしまいます。食事を与えたり、家に泊めてあげた
りすると通報されて警察が来てしまうのだ。ひどいとは思うけど、どんどんやっ
てくる不法移民を全て、受け入れるというのも、難しいのかもしれない。
ビラルが語る弾圧の様子や、ビラルの想い人ミナは父親にさからうことができな
いことも、現代のことなのだ。好きあっている2人が恋人となることはままなら
ないということ。ただ純粋に恋人のもとにたどり着こうとするビラルに、次第に
心動かされてシモンは、自分はすぐ近くにいる妻を引き止めることができないこ
とを痛切に感じます。
この奥さんとミナを演じた女優さんが2人とも美しかったです。ミナを演じている
デリヤ・エヴェルディはビラル役の人の実のお姉さんだって。
原題は“WELCOME”というのだけど、考えさせられるタイトルです。

★★★☆☆

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