雷桜2010/10/21

雷桜
「雷桜」の試写会へ行ってきました。
徳川家に生まれた斉道(なりみち/岡田将生)はその生い立ちから、心の病い
を抱えていた。
ある日、家臣の助次郎(小出恵介)が、自分の生まれ故郷の村の山に天狗が
住んでいると言ったので、興味を持ち、静養先をその村にする。
山で育った雷(らい/蒼井優)は父・理右衛門(時任三郎)の下、自由奔放
に育つ。山が乱されないように、山に入ってくる者を脅していた雷。
それで天狗の噂が立っていた。
斉道が一人で山に入って雷と出会う。村に戻った斉道は助次郎に、天狗は
女だったと話す。
助次郎は赤子の頃に“かどわかし”にあった自分の妹ではないかと思う。
その後、斉道と雷は2人で会うようになる。身分を気にせずに、自由にふるま
える関係ができて、いつしか2人は思いあうようになる…。

ストーリーは良いと思うのですが、映画の作り方が、まどろっこしいので、
とても長く感じました。
アイドルのプロモーションビデオみたいな気もしてしまう。
蒼井優と岡田将生ファンじゃないと厳しいかも。
岡田クンは好きなので、ガマンできました。
蒼井優も嫌いなわけではないですが、この役は野性的に育った奔放な性格
なので、無理しているように感じられてしまいます。
蒼井優のイメージじゃないというか。“もののけ姫”みたいな感じなのです。
話の筋は身分違いの恋で、時代劇版「ロミオとジュリエット」ですが、ある
シーンでは外国の音楽が流れて、スローになったりしてツラいです。

★★☆☆☆

隠蔽捜査2010/10/21

隠蔽捜査
「隠蔽捜査」今野敏・著 新潮文庫
主人公は東大卒で順調に出世している警察官僚(キャリア)の竜崎伸也。
長官官房の総務課長をしており、庶務、担当事案の割り振り、国会等の
質疑の受付、広報的な仕事も担っている。
家庭のことは妻にまかせきり、部下と信頼関係なんか築く必要はないと
考えている。
今まで読んできた小説の主人公とは、一線を画している。
読みはじめは、魅力のない人のように思えるのだがしかし、この小説は
とても面白いのだ。
組織を揺るがす連続殺人事件が起きて、竜崎は幼なじみの警視庁刑事
部長・伊丹から情報収集する。幼なじみと言っても小学校の時に、一緒
だっただけで、友達ではないと本人は思っている。
この事件の全容解明や組織のために、何ができるか、何をするべきかを
冷静に考え対処する。
規律と秩序を重んじすぎて、他の人とは考え方が違うため、変人と思わ
れている。
しかし、彼の信念は正論。家族や部下にも届いているし、読者も納得さ
せられてしまうのである。