風が強く吹いている2010/08/03

風が強く吹いている
「風が強く吹いている」(三浦しをん・著)を読みました。
走る才能を持った2人の若者が出会うところから始まります。
ひざの故障でエリートランナーの道を閉ざされた灰次(ハイジ)と、
天才ランナーと呼ばれながらも、事件をきっかけに走る場を失った
走(カケル)。ハイジはカケルこそが、壮大な夢の切り札になると
確信する。同じ寮で共同生活をしている他の8人と共に箱根駅伝を
目指すというのだ。中には陸上とは無縁な者もいるのだが、ハイジ
は密かにこのメンバーの底力を日頃から観察してよく知っていた。
駅伝では全く無名の大学が箱根駅伝の10区間を補欠なし、素人集
団の寄せ集めで出場しようというのだ。
人の心をつかむ天性のリーダーハイジの指導のもとに、皆は文句
を言いながらも、練習に励む毎日が始まる…。

箱根駅伝自体が、ドラマがあるものなので、本を読んでも感動させ
られてしまいました(泣)。
もちろん、箱根駅伝に実際に出る大学は相当にエリートな人達だけ
なんだろうから、話に無理もあるかもしれないけど、青春スポーツ
漫画のようで、とても面白かったです。
読みながら一緒に走りを体感しているような、または密着1人応援
団のようになってしまいます。
初めは無謀に思えた挑戦も練習を重ねることで、皆の考えも変わっ
ていき、走ることの深みにハマっていく様子がわかります。
マラソンって、天性の才能や走る技術だけではない、心の強さが必
要ですよね。駅伝となると、個人競技じゃないがゆえに仲間との結
び付きも重要に思えます。
走る前のランナーへ携帯電話で連絡したり、競技の様子をワンセグ
で見ながら、移動したりするのが、現代らしいなぁと思いました。
映画にもなっていますが、映画は見ていません。